ウェブ標準の2つの日付・時刻形式
だいたいのことはSuikaWikiにまとまってます。
- ウェブ標準での時刻表現の1つとして、HTTPの日付・時刻形式があります。細かいことはSuikaWikiのHTTP の日時形式にまとまっています
- 2024年現在のHTTP標準は、RFC 9110[1]であり、日付・時刻形式は5.6.7. Date/Time Formatsで定義されています。
- 例:
Thu, 11 Aug 2022 14:02:34 GMT
- もう1つの表現は、HTMLのものです。詳しいことは同じく、SuikaWikiのHTML の日時形式にまとまっています
- 2024年現在のHTTP標準は、HTML Standard[2]であり、日付・時刻形式は2.3.5 Dates and timesで定義されています。
- 例:
2011-11-18T06:54-0800
HTTPの形式は、特に時刻に注目すると、日時分とGMTが記載されています(GMTはGreenwich Mean Timeの略称で、グリニッジ標準時と日本語で呼ばれるタイムゾーンです)。この時刻の構成要素について、ここではメモを書いていきます。
ちなみに実践的な資料であれば、たとえば、『日付時刻 A to Z』[3]ですとか、『タイムゾーン呪いの書』[4]があります。
日、時、分、秒の定義
2024年現在、国際単位系(SI)[5]で秒の定義は次のように表されます。
秒(記号はs)は、時間のSI単位であり、セシウム周波数∆νCs、すなわち、セシウム133原子の摂動を受けない基底状態の超微細構造遷移周波数を単位Hz(s−1に等しい)で表したときに、その数値を9 192 631 770と定めることによって定義される。
この定義は、歴史的に(平均太陽日の)1日の長さを86400秒としていたものを厳密化したものです。この1日の長さは、「SI単位と併用できる非SI単位」で国際単位系として定義されています(表2-1)。
| 単位の名称 | 単位記号 | SI単位で表した値 |
|---|---|---|
| 分 | min | 1 min = 60 s |
| 時 | h | 1 h = 60 min = 3600 s |
| 日 | d | 1 d = 24 h = 86 400 s |
時(hour)、分(minute)、秒(second)の語源
- 国際単位系での定義のとおり、1日は24時間、1時間は60分、1分は60秒です。
- ここでは、いくつかの英語の語源辞典[6], [7], [8]を当たったメモを書いておきます。
時(hour)はこうあります。
hour 〘カトリック〙時課の勤め
どうやら中世ヨーロッパ社会ではカトリック教会での祈りに紐付いたようで、教会が時間の管理をしてきたといえるでしょうか。語源の時期としては中英語の頃で、遅くても13世紀頃に見られるとされます。
-
前後しますが日(day)を見てみると、次のようにあります。
day 《OE》 昼、日 ◆OEでは本来は「日の当たる半日」を意味し、24時間の一日はnightによって数えられた(cf. FORTNIGHT)
日没から次の日没までを1日と考えるのは、旅行で1泊2日と数え上げるのと似ているといえます。古英語(OE)のころから既に、日の出から日没を12等分し、日没から日の出を12等分していたのでしょうか。それよりも前、ローマ時代には日の出から日没を12等分していたそうです(Roman timekeeping - Wikipedia)。
もっとたどると、ローマ時代の
時 を表すhōraは古代ギリシア語のὢραに由来するとされ、古代ギリシアの頃も12等分していたそうです。 -
それでは、分(minute)はどうでしょうか。etymonline.comの説明によれば、Ptolemy(トレミー)こと天文学者クラウディオス・プトレマイオス Claudius Ptolemæus(c.83 - c.168)が使っていたそうです。
In Medieval Latin, pars minuta prima "first small part" was used by mathematician Ptolemy for one-sixtieth of a circle, later one-sixtieth of an hour (next in order was secunda minuta, which became second (n.)).
ここで、ラテン語のpars minuta primaは、「最初の60分の1」という意味です。
- 秒(second)は、ラテン語のpars minuta secundaであり、「第2の60分の1」という意味です(暦Wiki - 分・秒とは?)。この60という数字は古代バビロニアの60進法に由来するとされ、1より小さな数を60で割っていたとされます(暦Wiki - 60進法)。60で割るという考え方が、現代まで受け継がれてきたといえるでしょう。
秒の再定義
- 光格子時計の話です(歴史的な時計の話はWikipediaの時計の歴史が妙に詳しいです)。だいたいの話は次の4つで分かるはずです。
- Wikipediaの秒の記事にある新しい定義への模索のセクション
- 産総研マガジンの究極の精度に挑む!「秒」の定義を書き換える「光格子時計」とは何か
- NICTのニュースリリース世界初、国家標準時の維持に光格子時計を利用
- JSTの光格子時計が時計の概念を変える
- 2024年1月に国際度量衡委員会(CIPM)のCCTF (Consultative Committee for Time and Frequency)が公開したFrequently Asked Questions concerning the Redefinition of the Secondがあります。
- (この箇所のメモを書いた2024年8月時点で最新の)ロードマップとしては、最速で2026年に提案の提出と検討、2030年に新定義の批准となっています。
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FAQでは3つの定義のオプションが示されています(下記は筆者による仮訳)。
- オプション1: ΔνCsの代わりに単一の光原子遷移を選択し、その周波数(νXy)を秒の新しい定義として設定。
- オプション2: 特定の原子遷移からの光周波数の加重幾何平均を使用して、新しい定義定数を作成。
- オプション3: 電子質量(me)などの他の基本定数の数値を固定。ただしこのオプションは、現在の科学技術の状態では非現実的であると考えられている。実際のところ、基本定数の値は、現在のSIシステムの時間単位の現在の実現値(10-16)よりも数桁大きい不確かさ(リュードベリ定数の場合は1.1×10−12、meの場合は3.1×10−10)で現在知られており、光周波数標準の能力(10−18以上)からさらに遠ざかる。